「ドラゴン・スープレックス」と「フルネルソン・スープレックス」って同じ技じゃないの?
どうなると「ドラゴン・スープレックス」?
どうなると「フルネルソン・スープレックス」?
このふたつの技は実は同じなんです。
プロレス界にはよくある「あるある」です。
使い手によって名前が変わるパターンです。
このふたつの技を深掘りすると理由がわかるんです!
「ドラゴン・スープレックス」
ドラゴン・スープレックスは日本名で、
「飛龍原爆固め」
「羽交い絞め式原爆固め」
と呼ばれます。
「羽交い絞め」の言葉からどんな技かイメージしやすいですね。
「ドラゴン・スープレックス」はどんな技?
相手の両肩と両腕をロック(羽交い絞め)して後方に反り投げる技です。
開発当初は、羽交い絞めすることだけでも絞め技として威力がありました。
後方に投げ終わってからも絞め続けることができたので、「投げ技で衝撃を与える」のとはちょっと違いました。絞め技の比重の方が高かったようです。
「ドラゴン」と呼ばれる理由
藤波辰爾が開発し、披露した技だったので、藤波のニックネームであった「ドラゴン」が付けられました。
藤波辰爾「ドラゴン」が付く技は数多くあります。
「ドラゴン・スリーパー」
自分の両脇に、相手の首と腕を挟み込んで相手を反らせる技です。相手は体を反らされることで呼吸が苦しくなります。
「ドラゴン張り手」
これは藤波が張り手をするとこう呼ばれます。「ドラゴン」がやると試合が盛り上がります!!
「ドラゴン・リングイン」
トップロープからリングに入る藤波の独特のムーヴです。リングインするときにかなりの隙が生まれるので攻撃されることがほとんどですが、このムーヴをみんな欲しがるようになりました。
「ドラゴン・ロケット」
リングの外に飛んでいくトペ・スイシーダです。
「ドラゴン・スクリュー」
相手の足首を掴んで自分の体ごと内回りする危険技です。相手の膝を破壊します。
余談ですが、「マッチョ・ドラゴン」もあります。
「フルネルソン・スープレックス」
ここからは、「フルネルソンスープレックス」を見ていきましょう。
「フルネルソン・スープレックス」はどんな技?
相手の両肩と両腕をロック(羽交い絞め)して後方に反り投げる技です。
「フルネルソン」とは?
どんなことをしたらフルネルソンと呼ばれるのでしょうか?
フルネルソン(full nelson)
相手の背後に回り相手の脇の下から自分の両腕を差し入れて羽交い絞めにします。相手の首の後ろで組んだ両手で後頭部を屈曲させます。
両腕をクラッチすると「フルネルソン」、片腕をクラッチすると「ハーフネルソン」と呼ばれます。
ドラゴン・スープレックスとフルネルソン・スープレックスは同じ技
派生技
ここでは「フルネルソン・スープレックス」として派生技を紹介します。
投げっぱなしフルネルソン・スープレックス
ゲーリー・オブライトが披露し、プロレス界に衝撃を与えた技です。
相手がどんな体勢でも無理やりぶっこ抜く荒々しいスープレックスです。
最後ブリッジで完成させず、投げっぱなしで終わることがほとんどです。
アマレス出身レスラーの投げのスピードに驚かされました。
これが決まれば相手はほぼノックアウトとなりました。
ハーフネルソン・スープレックス
相手をハーフネルソン(片腕だけを羽交い絞め)にして後ろに反り投げる技です。
※ハーフネルソンで掴んでいない逆の手は相手のタイツを掴んでいます。
フォールを目的としない投げ技ですので、相手を急角度で落とすことができます。
小橋建太が開発した技です。
そのほかにもありますが、また次回に。
SSコロンビアwithミケーレ
MIRAIの得意技です。
うつ伏せの状態の相手の両脚を掴んでホイールバローの体勢で担ぎ上げます。
それからそのまま後方へ反り投げながら右手で相手の右腕を捕え自ら反転してマットに向って体を浴びせてマットに叩きつけるハーフネルソン・バスターです。
「ドラゴン・スープレックス」「フルネルソン・スープレックス」まとめ
「ドラゴン・スープレックス」と「フルネルソン・スープレックス」は同じ技なんです。
新日本プロレスのリングでは、「ドラゴン・スープレックス」と呼ばれることがほとんどです。
これは藤波の功績を讃えているのでしょう。
ひと昔前は、新日本プロレスでは「ドラゴン・スープレックス」、全日本プロレスでは「フルネルソン・スープレックス」と使い分けがはっきりしていました。
現在は、団体関係なく「ドラゴン・スープレックス」と「フルネルソン・スープレックス」どちらの呼び方も使われています。
使うレスラーが、「ドラゴン・スープレックス」と呼べば「ドラゴン・スープレックス」「フルネルソン・スープレックス」と呼べば「フルネルソン・スープレックス」となるんです。
呼び名が違っても、素晴らしい技には変わりありません。
最後に固める、投げっぱなし、どちらにしても「ブリッジの強さ」が求められる高難度の技です。