福島県郡山市は、鯉料理がブームになっています。
生産量が市町村別で全国1位になっていることもあって
「鯉料理のPR」
に力を入れています。
「鯉」と「鯉料理」と「郡山市」について深堀します!
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「鯉(こい)」とは?
鯉は、
分類上
「顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区ニシン・骨鰾下区骨鰾上目骨鰾系コイ目コイ科コイ亜科コイ属」
となります。
いやいやながっ。
外国名は「Common carp, Carp」
で
学名は「Cyprinus carpio Linnaeus, 1758」
です。
「鯉」の名前の由来や語源は?
漢字で
「鯉」
と書きます。
“里”は“理”と同じで縦縞の入ったと言う意味です。
その他の語源として言われているのが、
- 黒っぽい体色から、「濃い」の意味。
- 「雌雄相恋して離れないので“恋”からきた」
- 「身が肥えていることから“肥え”の意」
- 「味がほかの魚に勝っていることから“越”の意で」
- 「推古天皇のときに定められた冠位十二階に由来する。タイを“大位”、コイを“小位”の意。
といろいろな説があります。
参考サイト:ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑
「鯉」の生態
鯉の生態はちょっと面白いです。
体の特徴
鯉には胃がないんです。
これビックリ!
食道から直接、腸につながっているんです。
そのため、喰いだめができず四六時中餌をあさらなくては生命を維持できないという生き物です。
胃がないので、食道部から消化酵素を分泌し、腸でタンパク質はアミノ酸に炭水化物はグルコースなどの単糖類に分解し、消化吸収します。
そのため鯉の腸は、胃のあるお魚よりも長くできていています。
そして、肝臓と膵臓が一体となった肝膵臓を持っています。
鯉は、喉の奥に3列に並んだ咽頭歯という臼状の歯があって、この歯で固い殻を持つタニシやザリガニなどをばりばりかみ砕き、食べてしまうのです。
変わった体をしているんですね。
何を食べているのでしょう?
鯉は、雑食性の魚です。
水中にあるものはなんでも食べてしまいます。
普通はタニシやカワニナなどの貝類、藻エビや沼エビ、ザリガニなどの甲殻類、トンボやユスリカなど昆虫の幼虫、ミミズやボッタなどの環形類、雑魚やその卵、植物性のものでは藻類、その他デトライタス(動物や植物の死骸など)、泥中のミネラル分などを常食としています。
ほんとに何でも食べますね。
そして、水面に落ちた昆虫や熟した柿なども餌にしてしまいます。
鯉を養殖する場合は、南米で取れるカタクチイワシや小麦など原料とした配合飼料で育てます。
「鯉」の産卵
鯉は、成長の早い魚で棲息する水域の水温にもよりますが、普通だとオスは2年、メスは3年で成熟するといわれています。
成熟した鯉は水温が15度以上になる4月頃から産卵を始めます。産卵は葦や藻などの多い浅場で早朝に行われることが多く、1匹のメスと1匹または数匹のオスがからみ合って行われます。
そして7月頃までに2~3回の産卵をします。
卵は、卵膜によって葦の茎や藻などにからみつく直径が2mmくらいで淡黄色の沈性粘着卵です。
1回の産卵で産み落とされる卵の数は20万~60万粒にもなるそうです。
卵は水温が15度ではおよそ6日、20度では4日、25度では3日で孵化するといわれています。
孵化直後の稚魚は全長5~7mm、孵化後約3日で卵黄を吸収し、その後は動物性のプランクトンなどを食べて成長します。
ちなみに養殖の鯉は、生まれて2~3年で出荷されます。
約1年で37センチ1キロ、3年で45センチ2キロくらいになります。
3年間で5キロのエサを食べます。
「鯉」が体にいいって本当?
食品の中には、薬効果を持っているものが多くあります。
そのなかに鯉がいます。
鯉は、食用魚であるばかりでなく、長い食生活の中で薬用魚としての価値もありました。
中国最古の薬物書「神農本草経」にもその効用が記載されています。
鯉を食べると母乳の出が良くなるというのは周知の事ですが、婦人病、肝臓病の人にも欠かせぬ食べ物であることが解ってきました。
また、糖尿病や皮膚病の治療にも良く、その他セキやぜんそくを鎮める効果もあり、痔やリウマチにも良く効くことも解ってきました。
更に、疲労回復、動悸、息切れに効く強壮効果もあります。
良質のタンパク質やビタミンB1、B2、E、Aが多く含まれている豊富なビタミン類やカルシウム、リン、鉄分も多く栄養価的にも申し分のない魚です。
滋養強壮に…タンパク質、脂 質、無機質、ビタミンが多いため
腎炎によるむくみとりの特効薬…利尿作用が高い
血液循環や肝機能の改善…鯉をまるごと煮たエキスに漢方薬的な作用があるため
動脈硬化や血障害の原因となる中性脂肪の抑制
頭痛・冷え性・肩こりの原因となるノルアドレナリンの抑制
薬品とは違い、副作用の心配がない薬膳料理としてますます注目されています。
引用サイト:みやさかや
「鯉」の調理の仕方
鯉は、骨が小骨まで硬いこともあって食用に敬遠されることが多いです。しかし調理の仕方によって、とても美味しく食べることができます。
鯉の旬は寒くなってからで、特に冬が旬になります。
理由は、夏は内臓が痩せているのですが、秋になると内臓や生殖巣が膨らんでくるからです。
鯉の鱗は薄く大きいです。鱗はよく煮込むと、身よりもおいしいんです。
鯉の皮は厚いですが、煮るとトロっとします。
血合いの赤い透明感のある白身です。
ゼラチン質が多く煮凝りができます。
筋肉よりも卵巣、精巣、内臓の方が味がいいそうです。
参考:ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑
「鯉」の料理法・レシピ・食べ方
鯉の調理法としては、
汁(鯉こく、あら汁)
煮る(煮つけ、甘露煮)
生食(洗い)
焼く(酒塩焼き)
揚げる(鱗揚げ)
などになります。
鯉こく(鯉のあら汁)
洗いなどにしたときに出たあらや内臓を一度湯通しして氷水に取ります。これをみそ汁のなかで鱗などが軟らかくなるまで煮ます。汁を多くした「みそ煮」といったものです。
特に美味しいのは、鱗と内臓、生殖巣です。
鯉のあら煮
鯉の洗いなどを作ったときのあらをしょうゆ味で煮上げたものです。
鍋にしょうゆ、酒、みりん、水、あらと内臓を入れて火をつけ、あくを取りながら煮ます。
鯉の洗い
三枚に下ろして皮を引き、非常に薄く切り、冷水にさらしてアデノシン三リン酸を洗いながして、急速に身を硬直させたものです。
爽やかな味わいのなかにコイのうま味が感じられます。「酢みそ」でも、「わさび醤油」でも美味しいです。
産卵期には「子つけ(子造り)」がいいです。細長く刺身に切り、いった卵をまぶしたものになります。
参考サイト:ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑
なぜ郡山市が「鯉」の生産量が高いのか?
昔から養蚕が盛んで鯉の餌となる「蚕のさなぎ」が手に入りやすかったことが理由だと言われています。また、郡山市の鯉は猪苗代湖からのミネラルの豊富な水で育っているので泥臭くなく身が引き締まっているので、和食、中華、洋食などのさまざまな料理に適応します。
郡山市は明治以降、鯉を仏事や慶事などのおめでたい日に食べていました。海産物がなかなか手に入りにくい土地がらであったため、川や池で育つ鯉が重宝されました。
「鯉に恋する郡山」プロジェクト
郡山市では鯉を身近に知ってもらおうと、
「鯉に恋する郡山」プロジェクト
を発足させ、飲食店での鯉料理の提供、県外へのPR、鯉加工食品の商談会、郡山市内の小学校、中学校の給食メニューにしたり、鯉の捌き方の講習を開催したりして「鯉のブランド化」を目指しています。
出典:郡山市公式HP
出典:郡山市公式HP
鯉料理で健康に
鯉は、昔から貴重なタンパク源であり、多くのビタミン類、ミネラルが豊富で、健康維持に用いられる医薬品に分類されます。全国養鯉振興協会議会パンフレットによると、
現代では
- 糖尿病の食事療法
- 肝臓を守る
- 緑内障から目を守る
- 血流改善
- 腰痛や関節の痛みを改善
- 婦人病に良い
- 母乳の出が良くなる
- むくみの解消
などの効用があると言われています。
鯉は栄養豊富、そしてたくさんの効用が期待されるすごい魚なんですね。
郡山市内の飲食店ではオリジナルの「鯉の刺身」、「鯉のうま煮」、「鯉のあらい」などを提供してしています。
出典:郡山市公式HP
出典:郡山市公式HP
出典:郡山市公式HP
鯉の歌「どっ鯉ソング」の誕生
全国に向けて「郡山の鯉」をPRするために鯉動画が制作されました。
「どっ鯉ソング~ソスイでSweetなこいのうた~」
です!1度聴いたらぜったい忘れないメロディですのでぜひ聞いてみてください!
出典:郡山市役所HP
郡山市の「鯉のブランド化」のビジョン
これからの郡山市の20年後の未来のビジョンとして、
- 郡山市産の鯉が東京の一流店に広く提供されること。
- 郡山市が一大生産地として海外にも輸出されていること。
- 市内のスーパーでも鯉の加工食品がいつでも美味しく食べらていること。
を掲げてPR活動を行っています。
もうそろそろ、全国で鯉料理がブームになるかも知れませんね。
出典:郡山市公式HP
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